ディスプレイ広告とは?メリット・デメリットや運用のポイントを解説

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広告運用の担当になったものの、「ディスプレイ広告って何?」「リスティング広告との違いや活用方法がわからない」と悩む方は多いのではないでしょうか。本記事ではディスプレイ広告の初心者に向けて、ディスプレイ広告の基礎知識からメリット・デメリット、主要サービス、効果を高めるポイントまでわかりやすく解説します。

ディスプレイ広告とは

サイトに表示されたディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上に画像・動画・テキストなどの形式で表示される広告の総称です。ユーザーが閲覧しているコンテンツの横や上部、記事中などに表示され、バナー形式での配信が多いことから「バナー広告」とも呼ばれます。まずは、ディスプレイ広告の特徴や、DSP広告・リスティング広告との違い、使い分け方から押さえておきましょう。

ディスプレイ広告の特徴

ディスプレイ広告は、ユーザーが特定の商品やサービスを検索していない段階でも、興味・関心に基づいて広告を配信できるのが特徴です。例えば、スポーツ関連サイトをよく閲覧する人には、スポーツウェアの広告が表示されます。この特徴から、ディスプレイ広告は潜在層へのアプローチに強い広告手法と言えます。

また、配信ネットワークを通じて数百万単位のサイトやアプリに配信でき、短期間で大規模な認知拡大を狙える点もディスプレイ広告の強みです。

ディスプレイ広告とDSP広告の違い

DSP(Demand-Side Platform)広告とは、広告主が複数の広告枠を一括して入札・運用できるプラットフォームを利用した広告です。入札の際はターゲットを絞り込むため、狙ったユーザー層に広告を表示できる確率が高く、精度の高いターゲティング施策に適しています。

一方、ディスプレイ広告は、GDN(Googleディスプレイネットワーク)を始めとする多様な配信面を活用し、幅広いユーザー層へアプローチできるのが特徴です。そのため、認知拡大や幅広いリーチを狙う際にはディスプレイ広告、特定の顧客層に効果的に届けたい場合はDSP広告と、戦略的に使い分けると効果的です。

ディスプレイ広告とリスティング広告の違い

検索結果に表示されたリスティング広告

リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジンで特定のキーワードを入力した際に、検索結果ページの上部や下部に表示される広告です。検索意図が明確なユーザーに向けて配信されるため、成約率が高くなりやすい特徴があります。表示形式はテキスト限定なので、見出しや説明文の中で訴求ポイントを簡潔に伝えることが大切です。

一方、ディスプレイ広告であれば、テキストだけでなく画像や動画など幅広い形式の表現が可能なため、より視覚的で印象的な訴求が可能です。

ディスプレイ広告とリスティング広告の使い分け

Webサイトやアプリの広告枠に表示されるディスプレイ広告は潜在層に、検索結果の上部などに表示されるリスティング広告は顕在層への訴求に適しています。その特徴を踏まえ、広告の配信目的やターゲットに合わせて使い分けると良いでしょう。例えば新商品発売時に、関連ジャンルのサイトにディスプレイ広告を表示すると、興味・関心段階のユーザーの目に留まり、認知の拡大が狙えます。

一方、「法人向けクラウドサービス 比較」と検索するユーザーなど、すでに購入意欲を持って検索しているユーザーに的確にアプローチしたい際は、検索結果に表示されるリスティング広告が適しています。

より幅広いユーザーにアプローチしたい場合はディスプレイ広告で認知を広げ、興味を持ったユーザーをリスティング広告で刈り取るコンビネーション運用が効果的です。

ディスプレイ広告を活用するメリット

クエスチョンマークが表示されたスマホ

ディスプレイ広告の最大の強みは、潜在層へのアプローチと、視覚的な表現力を活かした訴求力です。リスティング広告だけでは届きにくいユーザーとも接点を持てるため、マーケティングの初期段階からブランド認知や興味喚起に大きく貢献します。ここでは、ディスプレイ広告の主なメリットを解説します。

潜在層にアプローチできる

ディスプレイ広告は、ユーザーが検索していなくても、興味・関心や過去の行動履歴をもとに表示されます。例えばアウトドア用品を販売する企業が、キャンプ関連の動画や記事をよく閲覧しているユーザーに広告を配信するケースです。これにより、まだ購入を検討していない段階の人にブランドや商品を知ってもらえます。

画像・動画で視覚的に訴求できる

リスティング広告のようなテキストでは表現しにくい商品やブランドの魅力も、ディスプレイ広告なら画像や動画で視覚的に伝えられます。特に、食品、ファッション、旅行、エンタメなど「見て魅力が伝わる」商材では効果的です。動画広告を組み合わせれば短時間でストーリー性のある訴求ができ、ユーザーの購買意欲を高めやすくなります。

クリック単価が比較的安い

ディスプレイ広告は、リスティング広告と比べてクリック単価が比較的低い傾向にあります。リスティング広告は配信面が検索結果に絞られていることで競合性が高く、クリック単価が高くなってしまいがちです。

一方、ディスプレイ広告はさまざまな配信面に広告を表示でき、検索キーワードに依存しないため、比較的低いクリック単価で配信できます。新商品や新サービスをリリースした直後は、市場にその存在が知られていない場合が多く、まずは認知を広げることが重要です。認知拡大が求められるタイミングでは、リスティング広告よりもディスプレイ広告の方が費用対効果を発揮しやすいでしょう。

リターゲティングができる

ディスプレイ広告では、過去に自社サイトを訪問したユーザーに対して再び広告を表示するリターゲティングが可能です。リターゲティングとは、一度接触した見込み顧客を追跡し、再度訴求する広告手法です。これにより、商品やサービスを思い出してもらい、購入や資料請求といった行動につなげやすくなります。

商品のブランディングができる

ディスプレイ広告は単なる販売促進だけでなく、ブランドイメージの構築にも適した広告です。高品質なビジュアルや動画を用いることで、企業の世界観や価値観を視覚的に訴求でき、長期的なファンづくりにつながります。

ディスプレイ広告を活用するデメリット

赤いクエスチョンマークが表示されたスマホ

ディスプレイ広告は幅広い層にリーチできる一方で、短期的な成果や運用面での課題も存在します。ここでは、実際に配信を検討する際に押さえておくべきデメリットを解説します。

短期間で成果を出したい施策には不向き

ディスプレイ広告は、認知拡大や潜在層へのアプローチに優れている反面、即効性を求める施策には不向きです。リスティング広告のように検索意図が明確な顕在層に配信するわけではないため、コンバージョン率(CVR)は低くなりやすい傾向があります。

そのため、ディスプレイ広告は短期間で成果を出すよりも、中長期的にブランドや商品を覚えてもらい、将来的な購買や問い合わせにつなげる戦略として活用することが重要です。

効果測定や分析が難しい

ディスプレイ広告は、画像・動画・テキストなど複数の要素で構成されている上、配信先やターゲット層も幅広いため、どの要素が成果に直結しているのか特定するのが難しいという課題があります。改善すべきポイントが多岐にわたることから、効果測定や分析に時間がかかり、PDCAサイクルを円滑に回しにくいのがデメリットです。

また、ディスプレイ広告にはブランド想起や興味喚起など、数値には表れにくい潜在的な効果がある一方で、これらを正確に把握するには専門的な広告効果測定ツールの活用や継続的なデータ収集が欠かせません。正確に分析するためには、クリエイティブやターゲティングの仮説検証を繰り返しながら精度を高めていくことが重要です。

広告費の消化ペースが速い

ディスプレイ広告は短期間で多くのユーザーに配信できる分、広告費の消化ペースが速くなりやすい傾向にあります。特に、クリックされるごとに費用が発生するクリック課金方式の場合は、想定以上に費用が早く消化されることがあるので注意が必要です。

コンバージョンにつながりにくい

ディスプレイ広告は主に認知や興味喚起を目的としているため、リスティング広告に比べてコンバージョン率は低い傾向があります。例えば、同じ10,000回表示された広告でも、リスティング広告では購入意欲の高い層が集まりやすく成果が出やすいのに対し、ディスプレイ広告ではまだ検討段階のユーザーが多く、成約まで時間がかかりやすい傾向にあります。

ディスプレイ広告の主要なサービス

ディスプレイ広告には複数の種類があり、それぞれ特徴や得意分野は異なります。ここでは、日本国内で特によく利用される主要サービスを紹介します。自社の目的やターゲットに合わせて選定することが成果への近道です。

GDN(Googleディスプレイネットワーク)

GDN(Googleディスプレイネットワーク)とは、Googleが提携する200万以上のWebサイトやアプリ、さらにはYouTubeやGmailといったGoogle関連のサービスに広告を配信できる、世界最大級の広告ネットワークです。食べログ、アメブロ、教えてgoo、個人ブログなど幅広い媒体に掲載可能で、インターネットユーザーの約90%にリーチできるとも言われています。

GDNではターゲティング機能も充実しており、年齢・性別・地域といった基本的なデモグラフィック情報に加え、「子どもの有無」や「世帯収入」といった詳細な条件設定が可能です。そのため、高価格帯の商品や子育て世代向けサービスなど、特定のユーザー層に効率的にアプローチしたい場合に特に有効です。

YDA(Yahoo!広告 ディスプレイ)

Yahoo! JAPANやYahoo!ニュースなど、Yahoo!関連のサービス上に広告を配信できるネットワークです。 Yahoo! JAPANの月間利用者数は5,400万人(※)と非常に多いため、日本国内ユーザーへのリーチ力が高く、年齢層や地域によってはGoogleよりも効果的な場合があります。

※参考:LINEヤフー株式会社│LINEヤフー媒体資料 2025年6月23日更新

LINE広告

LINE広告は、月間利用者数9,800万人(※)を誇るコミュニケーションアプリ「LINE」および関連サービスに広告を配信できるプラットフォームです。配信面は、LINE公式アカウントのトーク画面、LINE NEWS、タイムライン、LINE VOOMなど多岐にわたります。年齢・性別・地域・興味関心・行動データなどを活用した精緻なターゲティングが可能で、動画や静止画、カルーセルなど豊富な広告フォーマットに対応しています。

※参考:LINEヤフー株式会社│LINEヤフー媒体資料 2025年6月23日更新

ディスプレイ広告の費用の決まり方

プライスの文字が描かれたブロック

ディスプレイ広告の費用は、主にクリックや表示回数などの成果指標に基づいて決まります。課金方式を正しく理解することで、目的や予算に合わせた効果的な運用が可能になります。ディスプレイ広告の課金方式である「クリック課金」と「インプレッション課金」について解説します。

クリック課金(CPC)

クリック課金(CPC:Cost Per Click)は、広告がクリックされた回数に応じて課金される方式です。例えばクリック単価100円で1,000クリックを獲得すれば、10万円の費用が発生します。広告が表示されても、クリックされなければ費用は発生しません。 クリック課金は、資料請求ページや商品ページへの誘導など、具体的な行動を促す広告に有効です。

インプレッション課金(CPM)

インプレッション課金(CPM:Cost Per Mille)は、広告が1,000回表示されるごとに課金される方式です。クリックの有無にかかわらず、表示回数に基づいて費用が発生します。 例えばCPMが500円の場合、10万回表示されれば費用は5万円です。ユーザーがサイトへ訪問しなくても費用が発生するため、ブランド認知の拡大やイメージ訴求に適しています。

ディスプレイ広告の効果を高めるポイント

ポイントと書かれた紙

ディスプレイ広告は配信面が広く、ターゲティングやクリエイティブの自由度も高い一方、戦略を誤ると費用が無駄になりやすい広告形式です。ここでは、効果を最大化するために押さえておくべき重要ポイントを解説します。

配信目的を明確にする

ディスプレイ広告は幅広いユーザーへのアプローチが可能な分、「認知拡大」「資料請求」「購入促進」など、配信目的を明確にしておくことが大切です。その上で、ターゲット設定や広告クリエイティブ、効果測定の指標(KPI)を設計していきましょう。

配信目的を決めずに運用を始めると、ターゲットや訴求軸が定まらず、適切な分析や改善も行えないため、広告費に見合った成果が得られないリスクがあります。例えば「新規顧客を1,000人獲得する」といった具体的な数値目標を設定することで、ターゲティングやクリエイティブ制作の方向性が明確になります。

ターゲットを設定する

ターゲット像が不鮮明なままでは、目的に適した配信媒体を正しく選定できません。商材のターゲットではないユーザーに広告を配信してしまうと、広告効率が低下してしまいます。広告効果を最大化するためには、年齢や性別、興味関心、行動履歴などを踏まえて、具体的なターゲット像を明確化しておくことが重要です。

ターゲットに合わせたクリエイティブを制作する

クリエイティブの精度はディスプレイ広告の成功を大きく左右します。ディスプレイ広告では画像や動画を用いるため、いかにターゲットの目を引き、クリックさせるかが重要です。

  • 若年層向け:テンポの良い動画やビジュアル重視の広告
  • 中高年層向け:文字情報をしっかり盛り込んだ説明型広告

など、ターゲットの嗜好や行動パターンを踏まえて制作しましょう。

広告の配信先を厳選する

ディスプレイ広告は配信面が非常に多いため、なかには自社ブランドにそぐわないサイトや、コンバージョンにつながりにくい場所も含まれます。ブランド毀損を避けるために、配信先の除外設定やカテゴリー制限を行うことが重要です。特にBtoB企業では、ビジネス関連メディアに限定するなど、配信面の質を高めると良いでしょう。

リターゲティング配信を行う

一度サイトを訪れたユーザーに対して再び広告を配信するリターゲティングは、コンバージョン率の向上に直結する施策です。購入検討中のユーザーや資料請求ページまで訪問したユーザーに対して継続的に接触することで、離脱後の再訪や購買を促します。

ディスプレイ広告の運用を委託する

ディスプレイ広告の効果を最大化するには、日々のデータ分析やクリエイティブ改善が欠かせません。しかし、これらの作業には専門知識と時間が必要です。

社内リソースが限られている場合や、成果改善のスピードを上げたい場合は、外部の広告運用会社に委託するのも有効な手段です。特に、複数媒体を横断して最適化できる代理店であれば、配信効率や投資利益率(ROI)の改善が期待できます。

ディスプレイ広告を理解し、自社に最適な活用法を見つけよう

パソコンの前で笑顔を浮かべる男性

ディスプレイ広告は、潜在層へのアプローチやブランド認知に強い広告手法です。リスティング広告との違いを理解し、目的やターゲットに応じて使い分けることで、効果を最大化できます。メリット・デメリットや主要サービスの特徴も踏まえ、自社に合った配信戦略を立てることが重要です。運用には継続的な改善が欠かせませんが、外部委託も選択肢の一つ。正しい知識と戦略で、自社の成長につながる広告運用を実現しましょう。

「ユーザーにリーチできる広告がわからない」「クリエイティブの審査が多くて困っている」など、デジタル広告の運用には悩みがつきもの。自社での運用に困っている方は、ぜひプロナウンにご相談ください。

プロナウンでは、一般消費者へのアンケート・インタビューや市場のリサーチを通して、ユーザーインサイトの調査を徹底的に実施。発掘したインサイトを元に訴求軸を開発し、あらゆるパターンのクリエイティブを大量に生産します。インタビューコストやリサーチコスト、クリエイティブ制作にかかる費用は、すべて運用手数料に内包。費用を抑えつつ、デジタル広告の効果を最大限に発揮します。

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この記事を書いた人

髙津諒太

髙津諒太

インターネット広告事業にてSNS広告を中心に広告運用コンサルタントを担当しております。