TikTok広告とは?種類や費用の目安、始め方、活用するメリットを解説

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TikTokは、10〜20代を中心に世界中で利用されている動画プラットフォームで、日本国内でも幅広い世代に浸透しています。そんなTikTokに出稿できる「TikTok広告」は、短期間で大きな話題を生み出せる拡散力と、縦型全画面動画による高い没入感が魅力。予約型広告(起動画面広告・インフィード広告・ハッシュタグチャレンジ広告・ブランドエフェクト)から運用型広告(Brand Auction)まで、多彩な形式が用意されています。

本記事では、TikTok広告の種類や費用の目安、広告運用の始め方、活用するメリットをわかりやすく解説します。これからTikTok広告を検討している方はもちろん、既存の運用を見直したい方もぜひ参考にしてください。

TikTok広告とは?

TikTok広告とは、TikTok上に表示される有料広告を指します。

2025年時点で、TikTokの月間アクティブユーザー数は世界で約15億9,000万人、日本国内でも3,300万人以上にのぼっており、多くのユーザーにリーチできる媒体として注目されています。

TikTok広告は、通常の投稿動画と見た目がほとんど変わらない形式で表示されるため、ユーザーに「広告っぽさ」を感じさせにくく、自然に見てもらえるのが特徴です。これにより、コメントやいいねなどの反応(=エンゲージメント)も得やすくなります。

大企業はもちろん、中小企業や個人事業主でも気軽に活用でき、「ブランドの認知度を上げたい」「商品の購入につなげたい」など、目的に合わせた広告展開が可能です。

また、TikTokは10~20代の若年層に人気のSNSとして知られていますが、近年ではレシピや暮らしの知恵、ビジネス情報などコンテンツの幅が広がり、30代〜40代以上の利用者も増加中。つまり、幅広い年代のユーザーに向けて、短時間で強い印象を残せる広告手法として、TikTok広告は今や多くの業種で活用されています。

TikTok広告の種類と費用の目安

TikTok広告は、主に以下の5種類に分けられます。

  • 起動画面広告
  • インフィード広告
  • ハッシュタグチャレンジ広告
  • ブランドエフェクト
  • 運用型広告(Brand Auction)

それぞれ、表示される場所や形式、費用感、適している用途が異なるため、自社の目的や予算に合わせて選ぶことが大切です。ここでは、各広告タイプの特徴やメリット・デメリット、向いているケース、費用の目安をわかりやすく解説します。

起動画面広告

起動画面広告とは、TikTokアプリを立ち上げたときに、最初に全画面で表示される広告。広告の表示時間は、静止画で約3秒、GIFアニメーションで約3~5秒です。

1日1社限定の特別枠で、TikTokを起動したすべてのユーザーに表示されるため、圧倒的な認知度の獲得が可能です。広告にはリンク(自社サイトやランディングページ)を設定できるため、自社サービスや商品の販売促進、キャンペーン誘導にも効果的です。

起動画面広告のメリット・デメリット、向いているケース、費用の目安は以下のとおりです。

項目内容
メリット・全ユーザーに表示され、高い視認性と認知効果がある
・スマホ画面を占有するため、インパクトが強く印象に残りやすい
・リンク設置により、自社サイトへの遷移や商品訴求もできる
デメリット・TikTok広告の中でも費用が高額である
・1日1社限定のため、希望日に出稿できないことがある
向いているケース・大規模な新商品・新サービスの告知をしたい場合
・キャンペーン初動で一気に注目を集めたい場合
・広告予算に余裕がある中〜大手企業である場合
費用の目安約500万円〜/1日

「起動画面広告」は、短期間で認知度を一気に高めたい場合や、大々的なキャンペーンを展開したい場合に最適です。TikTokの全ユーザーにアプローチできるため、ブランドインパクトを最大化したい企業には非常に効果的な広告手法といえるでしょう。

インフィード広告

インフィード広告とは、TikTokアプリの「おすすめ(For You)」フィードに、通常の投稿動画と同じ形式で表示される動画広告です。1日単位の期間契約型となっており、配信日や広告枠を事前に予約する形で運用します。広告の長さは5〜15秒(最大60秒)で、ユーザーの視聴体験を妨げず、自然にアプローチできるのが特徴です。

また、視聴ユーザーは、通常の動画と同じように「いいね」「シェア」「コメント」「保存」「リンククリック」などのアクションができるため、広告感を抑えながら高いエンゲージメントが期待できます。

インフィード広告には、主に以下の3種類の広告があります。

広告種類表示位置特徴
Brand Premium「おすすめ」欄の80番目以内年齢・性別・地域・デバイスなどのターゲティングが可能な広告配信
OneDayMax「おすすめ」欄の4番目視認性が非常に高いプレミアム枠
TopView「おすすめ」欄の1番目最初の動画として確実に表示される強力な広告

【TopView広告と起動画面広告の違い】

TopView広告は、TikTokの「おすすめ欄」の最上部(1番目)に表示される動画広告で、ユーザーが最初に目にする投稿として再生されます。一方、起動画面広告(Brand Takeover)は、TikTokアプリを起動した瞬間に全画面で表示される広告で、動画だけでなく静止画やGIFも利用可能です。

どちらも視認性が高く強い訴求が可能ですが、TopViewはフィード内の動画広告、起動画面広告は起動時に表示される静止/動画広告という点が主な違いです。

インフィード広告のメリット・デメリット、向いているケース、費用の目安は以下のとおりです。

項目内容
メリット・広告らしさが少なく、ユーザーが自然に受け入れやすい
・1日単位で契約でき、反応に応じて調整しやすい
デメリット・通常投稿に埋もれてスルーされる可能性がある
・限られた時間で興味を引くクリエイティブな工夫が求められる
向いているケース・短期間でブランド認知やWeb誘導を強化したい場合
・商品やサービスを動画でわかりやすく伝えたい場合
・低予算でもTikTok広告を始めたい場合
費用の目安Brand Premium:42万円~
OneDayMax:300万円~
TopView:625万円~

インフィード広告は、広告色が強すぎず、ユーザーの自然な動画視聴の流れに溶け込むことができます。費用感や表示位置に応じてプランを選べるため、中小企業から大手まで幅広いビジネスにおすすめです。

ハッシュタグチャレンジ広告

ハッシュタグチャレンジ広告は、企業が独自のハッシュタグ(例:#〇〇チャレンジ)を作り、ユーザーがそのハッシュタグを使った動画を投稿することで拡散を促すユーザー参加型広告です。「UGC(User Generated Content)」と呼ばれる、ユーザーが自主的に作成・共有するコンテンツを活用できるのが特徴です。

例えば、過去には以下のような企画が人気を集めました。

  • 商品のCM曲に合わせてダンス動画を投稿してもらう
  • ブランドロゴ入りの服を着用したコーデ動画を募集する
  • CMソングの替え歌を募集する

広告っぽさが少なく、ユーザー同士で自然に広がるため、まだ自社を知らない層にも効果的にリーチできます。さらに、人気クリエイターやインフルエンサーと組み合わせることで、爆発的な拡散力が期待できます。

ハッシュタグチャレンジ広告は、主に以下の4種類に分けられます。

種類特徴表示期間費用目安
スタンダードハッシュタグチャレンジ・バナーとおすすめ欄に広告表示
・1日はバナー1番目に固定
6日間
(バナー1番目は1日)
約1,500万円
ハッシュタグチャレンジプラス・スタンダードの強化版
・2日間バナー1番目固定
5日間
(バナー1番目は2日)
約1,700万円
バトルハッシュタグチャレンジ・2つのハッシュタグで競わせる企画向け3日間
(2ハッシュタグ表示)
約2,000万円
ベーシックハッシュタグチャレンジ・おすすめ欄のみ表示(バナー表示なし)3日間約1,000万円

ハッシュタグチャレンジ広告のメリット・デメリット、向いているケース、費用の目安は以下のとおりです。

項目内容
メリット・ブランドの認知度や好感度向上に効果的
・ユーザー参加型でファンを獲得しやすい
・ユーザーによる自然な拡散が期待できる
デメリット・細かなターゲティング設定ができない
・拡散力を高めるにはインフルエンサー起用が必要となる
向いているケース・広告予算に余裕のある大手企業である場合
・トレンドを生み出す企画力や話題性のある商品を持つ企業である場合
費用目安スタンダードハッシュタグチャレンジ:約1,500万円
ハッシュタグチャレンジプラス:約1,700万円
バトルハッシュタグチャレンジ:約2,000万円
ベーシックハッシュタグチャレンジ:約1,000万円

ハッシュタグチャレンジ広告は、他のTikTok広告に比べ費用は高額ですが、短期間で爆発的な拡散を狙える広告です。特に、新商品の発表や大規模キャンペーンなど、「話題化」を目的とする場合に強力な効果を発揮します。

ブランドエフェクト

ブランドエフェクト広告とは、企業やブランドがオリジナルのフィルターやAR(拡張現実)エフェクトを作成し、TikTokユーザーがそのエフェクトを使った動画を自由に投稿できるようにする広告です。エフェクトとは、動画に特殊な加工やアニメーションを加えられる機能のことで、例えば以下のような活用例があります。

  • ベネフィット体験型:実際に使っていなくてもリップの色や質感を試せるエフェクト
  • エデュケーション型:簡単な運動やストレッチを促すフィットネス系エフェクト
  • 世界観体験型:人気キャラクターの世界に入り込めるような没入型エフェクト

ユーザーは楽しみながらブランドに触れることができ、自然な形で親近感や好感度を高められます。さらに、ハッシュタグチャレンジと組み合わせることで、参加型キャンペーンとしての拡散力が大幅に向上します。

ブランドエフェクトのメリット・デメリット、向いているケース、費用の目安は以下のとおりです。

項目内容
メリット・商品やサービスを使っていなくても、リアルな体験を疑似的に提供できる
・手軽に試せる内容なら、ユーザーの行動意欲を高められる
・世界観体験型なら共感や親近感を得やすい
デメリット・効果的なエフェクトを作るには企画力と制作リソースが必要となる
・ブランドや商品の魅力を的確に伝える設計が欠かせない
向いているケース・商品やサービスの魅力をリアルに伝えたい場合
・疑似体験を通じてブランドの好感度を高めたい場合
費用目安約380万円〜
※制作内容や期間により変動

ブランドエフェクトは、TikTok広告の中でもユーザーに楽しみながら疑似体験してもらえるのが強みです。費用はやや高めですが、自然な形でブランドの魅力を伝えられるため、商品理解や好感度向上を目的とする場合に効果的です。

運用型広告(Brand Auction)

運用型広告(Brand Auction)とは、広告主が配信内容・ターゲット・予算などを自由に設定し、オークション形式で広告枠を獲得する広告です。広告はTikTokの「おすすめ」フィードに、他のユーザーの投稿に紛れる形で表示されるため、自然にユーザーの目に入りやすいのが特徴です。

動画広告は、通常投稿と同じように「いいね!」やコメント、シェアが可能で、拡散されることで広告以上の効果も期待できます。広告の配信・停止は出稿者側で自由にコントロールでき、効果が薄いと判断したらすぐに打ち切ることも可能です。

なお、最低出稿額の5,000円でもテスト配信は可能ですが、アルゴリズムが学習して配信が最適化されるまでには時間がかかるため、短期間では効果が見えにくいことがあります。理想をいえば、1日2〜5万円の予算で2〜4週間程度運用できると、ターゲットへのリーチが安定し、広告効果もより測定しやすくなると考えられます。

運用型広告のメリット・デメリット、向いているケース、費用の目安は以下のとおりです。

項目内容
メリット・低コストで始められる
・ターゲット(年齢・性別・地域・興味関心など)を細かく設定できる
・効果が悪ければすぐに停止できる
・予算の上限設定や期間調整も柔軟にできる
デメリット・広告制作から運用まで自社で対応が必要となる
・動画広告の制作スキルや運用ノウハウが求められる
向いているケース・社内に広告運用や動画制作の知識がある場合
・予算は限られているが、運用に時間をかけられる場合
費用の目安(2025年8月時点)最低出稿額:1日5,000円〜
1再生あたり:約5〜60円
1クリックあたり:約30〜100円
1,000回表示あたり:約100〜1,000円
※いずれもオークション形式で、予算は自由に設定可能

運用型広告は、「少額からTikTok広告を試したい」「ピンポイントでターゲット層に届けたい」という企業や個人事業主に特におすすめです。

TikTok広告を活用するメリット

TikTok広告には、企業やブランドの認知度を高め、商品・サービスの購入につなげるための多くの利点があります。特に、若年層をはじめとした幅広い世代へのリーチや、精度の高いターゲティング、広告らしさを感じさせない自然な表示などが魅力です。さらに、作成した動画を他のSNSにもシェアできるため、短期間で大きな拡散効果が狙えます。

ここでは、以下のTikTok広告の4つのメリットについて詳しく解説します。

  • 10〜20代の若年層を中心に幅広い世代へアプローチできる
  • ターゲティング精度が高い
  • 広告感が少なく、ユーザーに受け入れられやすい
  • 他のSNSにも拡散しやすく、認知を一気に広げられる

10~20代の若年層を中心に幅広い世代へアプローチできる

TikTok広告は、特に10〜20代といった若年層へのアプローチに効果的です。総務省が2025年に発表した「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、TikTokの利用率は10代で65.7%、20代で58.7% と、他のSNSと比べても高い水準です。

そのため、若年層をメインターゲットにしている企業やブランドにとって、TikTok広告は効率的に認知拡大や購買促進につなげられる有力な手段といえます。特に、トレンドに敏感な層に短期間で話題を広めたい場合に効果を発揮します。

一方で、30代で39.7%、40代で39.9%、50代で39.7%と、近年は利用者層が着実に広がっています。若年層に加え、幅広い世代にリーチできる可能性があるため、新商品やアパレル、コスメ、エンタメ系はもちろん、生活サービスや金融、旅行など、多様なジャンルで活用が期待できます

年代TikTok利用率(2025年)特徴
10代65.7%流行やエンタメ情報の受け取りが早く、動画の拡散力が高い
20代58.7%消費行動やサービス利用に直結しやすい
30代39.7%子育て世代やキャリア層も多く、購買力がある
40代39.9%趣味やライフスタイル系コンテンツの需要が高い
50代39.7%健康・旅行・金融など実用的情報への関心が高い

ターゲティング精度が高い

TikTok広告は、AIによる自動ターゲティングだけでなく、広告主が条件を細かく設定するカスタムターゲティングも可能です。これにより、「届けたい相手」に絞って広告を配信でき、無駄な広告費を抑えつつ効果的に訴求できます。

TikTokのターゲティングで利用できる主なデータは以下のとおりです。

ターゲティング種類説明
デモグラフィック性別・年齢・居住地・使用言語などの基本情報
興味・関心ターゲティングユーザーが日常的に視聴している動画ジャンルや「いいね」傾向などの長期的な興味データ
行動ターゲティング直近の行動(動画の視聴、コメント、シェアなど)に基づくターゲティング。興味・関心と違い、短期的な動きを反映できる
デバイス情報通信環境(Wi-Fi、4G/5G)、OSやバージョン、端末モデル、価格帯、キャリアなど
オーディエンス設定自社の顧客データや類似ユーザーを配信対象にできる。また、特定の層を除外することも可能

TikTok広告は年齢や性別だけでなく、興味・関心や直近の行動データまで活用して精密に配信できるのが強みです。例えば、「20代女性・東京在住・コスメ関連の動画をよく視聴しているユーザー」といった具体的なターゲットにもピンポイントでアプローチできます。

広告感が少なく、ユーザーに受け入れられやすい

TikTok広告は、ユーザー体験を損なわない自然な表示形式と、スマホ画面いっぱいの全画面表示で強い印象を与えられるのが特徴です。(※起動画面広告など一部を除く)

通常の投稿と同じ形式でおすすめ欄に表示されるため、ユーザーは広告と意識せずに視聴することもあります。さらに、見たくない場合はスワイプで簡単に飛ばせるため、強制感がなく受け入れられやすい傾向があります。

特徴説明
自然な表示形式一般投稿と同じフォーマットで配信されるため、違和感なく視聴されやすい
高い視聴完了率TikTokユーザーはおすすめ表示された動画を最後まで見る傾向があり、広告も視聴されやすい
前向きな動画視聴文化「知らない動画でもとりあえず見てみる」という文化が根付いており、広告への抵抗感が低い
音声ON・全画面視聴が主流没入感が高く、ユーザーの記憶に残りやすい
全画面表示によるインパクトスマホの縦長画面いっぱいに表示できるため、ページの一部にしか表示されない広告より訴求力が高い
他SNSとの違いInstagramやX(旧Twitter)はフォロー関係が中心のため広告が浮きやすく、「広告っぽさ」が目立ちやすい

上記のような特徴により、TikTok広告はユーザーに「押しつけられた広告」ではなく「面白い動画の1つ」として受け入れられやすく、自然なエンゲージメント(いいね・コメント・シェア)を得やすいのが強みです。

他のSNSにも拡散しやすく、認知を一気に広げられる

TikTokで作成した広告動画は、X(旧Twitter)やInstagram、YouTubeなどの他SNSにも簡単にシェアできます。そのため、TikTok内のユーザーだけでなく、他のプラットフォームにいるユーザーにも情報を届けられ、短期間で大きな認知拡大が可能です。

さらに、他SNSで動画が話題になれば、二次拡散によって広告費をかけずに追加のリーチが見込めます。複数のSNSで同時に露出することで、ブランドや商品の印象をより強くユーザーの記憶に残せる点も大きなメリットです。

TikTok広告の始め方

TikTok広告を始めるには、専用アカウントの作成から広告の配信まで、いくつかのステップがあります。
以下の手順に沿って進めれば、初めての方でもスムーズに広告を出稿できます。

  1. TikTok広告アカウントを作成する
  2. 広告の目的を選択する
  3. ターゲットを設定する
  4. 予算とスケジュールを設定する
  5. 広告フォーマットを選択する
  6. 広告を作成する

それぞれのステップで必要な設定や注意点を押さえることで、効果的なTikTok広告運用につながります。

1.TikTok広告アカウントを作成する

TikTok広告を出稿するには、まず「TikTok For Business」の広告アカウントが必要です。作成手順は以下のとおりです。

  1. 「TikTok For Business」 の右上「始める」をクリック
  2. メールアドレスまたは電話番号で本人確認
  3. 会社名・業種などの基本情報を入力してアカウントを登録
  4. TikTok広告マネージャーが開くため、請求先情報・支払い情報を入力

設定画面は直感的な操作ができるため、初めてでも比較的スムーズに登録できます。なお、アカウント作成時に入力する会社名や業種は、後の広告審査にも影響するため、正確かつ最新の情報を入力しましょう。

2.広告の目的を選択する

広告の目的を設定します。TikTok広告マネージャーでは、設定した目的に応じて、自動的に配信方法の最適化が行われます。

目的は広告配信のアルゴリズムに直接影響します。初めての場合は「リーチ」や「トラフィック」など、成果を測定しやすい目的から始めるのがおすすめです。

広告目的説明活用例
リーチより多くのユーザーに広告を表示して認知度を高める新商品の発表、ブランド認知
トラフィックWebサイトやアプリストアへの訪問数を増やすECサイトやキャンペーンページへの誘導
アプリインストールアプリのダウンロード数を増やすゲームアプリやサービスアプリの普及
動画視聴数動画の再生回数を増やすプロモーション動画やCMの視聴促進
コンバージョン購買や会員登録などの具体的な行動を促す商品購入、資料請求、予約受付

3.ターゲットを設定する

広告を届けたいユーザー層(ターゲット)を設定します。TikTok広告では、年齢・性別・地域といった基本情報から、興味・関心や直近の行動データまで細かく絞り込みが可能です。自社の理想的な顧客像に近い条件を設定することで、無駄のない広告配信ができます。

例えば、以下のような設定が可能です。

ターゲティング項目
デモグラフィック15~17歳
女性
東京都在住
日本語ユーザー
興味・関心ターゲティングメークアップ/スキンケア
行動ターゲティング直近7日以内に「メークアップ」「スキンケア」ジャンルの動画を複数視聴し、コメントしたユーザー
デバイス情報Wi-Fi/5G通信
iOS
オーディエンス設定Webサイト訪問者

新商品のテストマーケティングでは、地域や年齢層を狭く絞ることで広告効果を測定しやすくなります。長期的な興味データと短期的な行動データを組み合わせると、より精度の高い配信が可能です。

4.予算とスケジュールを設定する

TikTok広告では、広告配信の予算を以下の3種類から設定できます。

予算タイプ説明
無制限上限を設けず、広告セット時にその都度予算を調整する方式
通算予算指定した広告配信期間全体で使用する予算
日予算1日あたりで使用する予算

予算設定に迷う場合は、キャンペーン予算最適化(Campaign Budget Optimization/CBO)を活用する方法もあります。キャンペーン全体の総予算を設定し、TikTokのアルゴリズムが配信成果の良い広告セットに自動的に多めの予算を配分してくれます。成果が伸びやすい広告に効率的に投資でき、手動での予算調整の手間も減らせます。

スケジュールの設定では、広告配信の「開始日と終了日」、さらに配信時間を決めます。1日中配信する方法もありますが、効果的な時間帯に絞ることで、無駄な表示を減らし費用対効果を高められます。

【配信時間設定のコツ】

時間帯特徴・おすすめ広告ジャンル
7〜9時(通勤・通学時間帯)スマホ利用率が高く、短時間動画が視聴されやすい。ニュース・エンタメ・朝食関連広告に向く
12〜13時(昼休み)休憩時間に視聴が増加。飲食系、ファッション、エンタメ系広告の反応率が高い
20〜23時(夜間)リラックスタイムで滞在時間が長く、購買行動につながりやすい。アパレル、コスメ、趣味・娯楽系広告に効果的

5.広告フォーマットを選択する

配信する広告フォーマットを選びます。TikTok広告では、主に以下の3種類のフォーマットが利用可能です。

フォーマット特徴活用例
動画広告縦型フルスクリーンで表示され、音声やエフェクトを活用できる。TikTokの世界観になじみやすく、没入感が高い・商品紹介
・チュートリアル動画
・ストーリー仕立てのPR
画像広告単一の画像で訴求。短時間でメッセージを伝えたい場合に有効。ただし、TikTokでは動画の方が主流・セール告知
・ブランドロゴ訴求
カルーセル広告1つの広告枠に複数の画像や動画を掲載可能。スワイプで順番に閲覧でき、情報量を多く伝えられる・複数商品の紹介
・分割ストーリー型広告

TikTokは動画視聴がメインのプラットフォームのため、動画広告が高いエンゲージメントを得やすい傾向があります。一方で、画像やカルーセルは補足情報や複数商品の訴求に向いており、運用型広告(Brand Auction)やインフィード広告と組み合わせて活用すると効果的です。

6.広告を作成する

最後に、実際に配信するTikTok広告のクリエイティブ(広告素材)を作成します。広告作成画面では、以下の要素を設定できます。

項目内容ポイント
メディア動画または画像をアップロードTikTokは縦型動画(9:16)が基本。短尺(15〜30秒)を意識
テキスト広告に表示される説明文1行目で関心を引くキャッチコピーにする
リンク先URLユーザーがアクセスするWebサイトやランディングページスマホでの見やすさ・表示速度を確認
誘導アクション(CTA)「購入する」「詳しく見る」「登録する」などのボタン広告目的に合わせたアクションを設定
表示オプションハッシュタグや位置情報など検索や関連動画からの流入を狙える

作成が完了したら、「確認」ボタンを押して審査へ進みます。通常は24時間以内に審査が完了し、承認されれば広告が配信開始されます。

TikTok広告とは「拡散力×没入感」で魅せるマーケティングツール

TikTok広告は、10〜20代を中心に幅広い世代へアプローチでき、動画の全画面表示による高い没入感や、他SNSへの拡散性といった強みを持つ広告です。予約型広告(起動画面広告・インフィード広告・ハッシュタグチャレンジ広告・ブランドエフェクト)から、柔軟に運用できる運用型広告(ブランドオークション)まで、目的や予算に応じて多彩なフォーマットを選択できます。費用は広告の種類によって幅がありますが、ターゲティング精度の高さや広告感の少なさを活かせば、限られた予算でも効果を狙うことが可能です。

一方で、広告の企画設計や配信設定、効果測定まで自社で行うのは手間やノウハウ面でハードルが高い場合もあります。弊社「プロナウン」では、TikTok広告を含む総合的なデジタル広告運用を、調査・戦略設計・クリエイティブ制作・運用改善までワンストップでサポートしています。「成果が出ない」「社内にノウハウがない」「クリエイティブの方向性が定まらない」といった課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

髙津諒太

髙津諒太

インターネット広告事業にてSNS広告を中心に広告運用コンサルタントを担当しております。